なんていうか、とにかく今回は全てにおいて
芹せんせーのせいだ。
前に掲載したもの以来、久々にSS書きましたよ。
あぁ、ご無沙汰しております、なんとか生きてます。
リアル仕事が現在佳境で、モウソウ力もソウゾウ力も完全に衰えてしまって、なにかを書くにもなにも書けない状態です。
作業いっぱいのくせに外出予定もガンガン入ってくるとか2月鬼や……。
それから鼻水→鼻づまり→口呼吸→喉ダメージ→咳というコラボを実現してしまいまして、割とボロボロの状況につき休みは寝てばっかりです。
みなさんはまず風邪をひかないところから頑張っていただければと思います。この週末、マジ寒いよ。
さて、今回は「フェイト×はやて」です。
はやフェイじゃないよ! フェイはやなんだよ!! 大事なことなので主張しておきます。
とりあえずこれを載せるだけ載せて、またしばらく雲隠れしてきます。
不意の覚醒。
途切れていたものが繋がったかのような感覚。もしかしたら繋がったのではなく、今新しく始まったのかもしれない。
よくわからないことを考えながら、どうやら横になっている自分の体を起こしかけて静止する。
自分の体にかかる覚えのない重みを認識すると同時に、視界にその答えが映り込む。
「……はやて?」
横になっていた自分の体にのっているのは、どう見ても八神はやてその人だった。
ああ、なんだろう。頭の中が整理できない。
いやちがう、頭の中に整理できるほどのものがない。わかることは、はやてが自分の上にのっていることだけ。
そして、この状況になっている理由がわからないことも。
「どうした……の?」
はやてははやてでこちらを見ていて、わたしはわたしではやてを見ていて。
視線は確かにぶつかっているのに、お互い、気持ちはここにないような気がする。
そして状況がわからないわたしとしては、この無言の視線が落ち着かなくてはやてに聞いていた。
返事はなく、くいっと首元が少し締まる。着ているシャツをはやてが少しひっぱっていた。
「ん?」
なにか訴えたいことでもあるんだろうかと、首を傾げて顔をのぞき込もうとしたとき。
重ねられた柔らかい感触は、紛れもなく距離をゼロとして目の前に顔が迫っている彼女のものだった。
頭の中だけじゃなく、全身がすべて漂白されるかのようにあらゆる動きも思考も止まる。
その後には津波のように全身を打ちのめす、柔らかい彼女の存在感だった。
呆然としている間、それがどれくらいの時間かはわからないけど、そうしている間に彼女は離れていく。
惜しいと思った。
ぺたりと、彼女の手が頬に触れる。ぺたぺたと、叩くわけではなく平を何度もつけては離す。
「あんな……、どうしたってわけやないんやけど……」
不意に耳をくすぐる彼女の声。
あぁ、さっきの問いかけに答えようとしてくれているんだ、と気づく。
頬を撫でるような手が温かく感触が心地よくて、上にのられていることに息苦しさと重さは感じるが、心地よい雰囲気は眠気を誘うくらいに穏やかだ。
「よ・ば・い」
前言撤回。眠気なんかどこにもなかった。そんな雰囲気の存在はただの錯覚だった。
「は、ははははは、はやてぇっ!?」
驚きすぎだろう、自分。ドモりすぎだろう自分。
いやでも驚くでしょ、いきなり夜這いだなんて言われたら。
それとも、夜這い以外によばいってあるのかな?
「なんなんさー、フェイトちゃんははやてちゃんに夜這いされるん嫌なんかー?」
「嫌じゃないけど、いきなり何言うのさ!」
「フェイトちゃんが聞いてきたんやろー」
ぶう、と言いながら自分の頬を息で膨らませてみせるはやて。
その姿は仕事の時より年相応……いや、それよりやや幼く見える。
ええっと、なんだっけ。
たぶんわたしは眠ってしまってたんだ。そして、眠るわたしの上にはやてがのってきたと。
きっとその違和感や重さでわたしは目が覚めて、はやてはわたしにキスをした、と。
なんだこの流れ。整理したけど整理したくなかった気がする……! なんとなくなんだけど!!
そもそもどうしてキスなんて……あぁ、夜這いって言ってたっけ。その考えは愚問だった。
「ねぇ」
すっかり混乱してぐちゃぐちゃの思考の渦の中、呼びかけるはやての声に意識が引き寄せられる。
顔を近づけて鼻先同士をくっつけるはやての目は、じっとこちらを見透かすような色をしていた。
「最近、ちゃんと休んでる?」
「ちゃんと毎日家に帰って寝てるよ?」
「休日……は、取れてへんか」
「はやてもでしょう?」
「まぁ、そうやけど」
鼻と鼻をくっつけたまま、はやては『ん〜』と声にならない音を漏らす。
なんだかくすぐったい。まったりと心地よく心がほぐれるような空気。
心配、させちゃってたのかな。
「じゃあさ、はやてちゃん分の補給せん?」
は?
わたしの頭が再び真っ白になると同時に、穏やかで心がほぐれるような空気の存在がやっぱり錯覚だったことを思い知らされる。
鼻ちゅーは終わり、はやては今度は首元に顔を埋めてきた。
触れる柔らかい感触にさらされて、体が震える。
「ふふっ、フェイトちゃんかわいい」
顔は伏せられたままだから見えないけど、きっといつもの意地の悪い笑顔をしているんだろう。
そう察することができるくらいには、はやての声が楽しげだった。
次にくるだろうはやての行動に内心おびえつつ大人しくしていると、つかまれた手首。
持ち上げられて、そのまま手の平ははやての胸元に。
「あたしはフェイトちゃんをめっっちゃ愛してるんやけど、フェイトちゃんはもうあたしのこと愛してないん?」
そう言って微笑んだはやてが、見たこともないくらいに美しいと思ってしまって。
愛しいと、思ってしまって。
心をしっかりとわしづかみにされてしまって。
あぁ、これはもうダメだ。
愛してないのかって、そりゃぁ……ねぇ。
「愛してるに決まってるよ」
END
まぁあれです、読んでいただいてありがとうございました。
とにかく芹せんせーのせいなんです、これは。
芹せんせーが言うからOSOIUKE書こうとしたら、なんていうかYOBAIになってどっちかっていうとSASOIUKEじゃね?みたいなことになってしまいました。
実際に書いてわかるOSOIUKEの難しさ……。
きっと、芹せんせーが正しいOSOIUKEを書いてくれると思っております。皆さんもお楽しみに!
ちなみにボクは今回、鼻ちゅーをなぜか絶対入れたかったので、入れられて満足です。