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硝子の羽根の欠片

なのはに最近熱を入れている二次創作SSサイト。
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珍しく掲載間隔が短いですが、別に予告していたアレではありません。

前と同じような経緯で、今回のテーマは「隊長不良」、「なのは×フェイト」です。
それほど不良という言葉で捉えられやすい感じの不良にはなりませんでしたけどね。
テーマがテーマなので、公式とキャラが変わってる部分があります。
公式とキャラが変わってるのは嫌だという方はご覧になられないよう。
ちゃ、ちゃんと注意しましたからねっ!!

あと、もうちょっと関係性をうまく描写したかったのですが、これがボクの限界っぽいです。
書くたび書くたびに思うのですが、もっと描写を上手くしたいです。
あ、別に自分の書く話が面白いとか思い込んでないですよ? ストーリー構成も頑張りたいです。
今はストーリー構成より描写のスキルアップの方が緊急度が高いように感じているだけなのです。

まぁいろいろ書きましたが、とりあえずこれが今のところのボクの限界っぽい。
公式とキャラが変わってる部分があっても読むぜって方は続きからどうぞ。





 ライトブラウンの制服の上を、遠慮なく触れてくる手。
 その手は綺麗で細くて、とても好きなものなのだけど……。

 手が動く箇所が、その……ちょっとどころじゃなくまずいわけで。
「フェ、フェイトちゃん!」
「なぁに?」
 わたしの顔のすぐ横にあった顔が、不思議そうな表情をつくる。
 耳元で広がる声は、男女を問わず多くの人を魅了するもの。……わたしも例外じゃなく。
「なぁに、じゃないよ」
 触れてくるその手を、軽く叩く。本当に軽く。
 だって、その手が嫌いなわけじゃないし、触れられたくないわけでもないのだから。
 ただ。
「さすがに勤務時間中に胸とか太もも触ってくるのはどうかと思うの」
 時間とか場所とかがまずいわけで。



「ふぅん、なのはは私に触られるの嫌なんだ?」
 カチンと頭の中で音が鳴った。まるでスイッチが入れられたみたいな音。
 ダメだ、注意、危険……わたしが、危ない。
 少しむくれたような、不機嫌そうな低くなった声が耳を滑り込む時、いつだって危ないのだ。
「う……うん、こんなお昼間に、隊舎で触られるのは……」
 制服の上から離れる手。
 抱きしめられていた距離から、フェイトちゃんが離れていく。
「ここはなのはの部屋でしょう?」
 触れず、わたしの前にあるデスクに手をつく彼女。
 ここは六課の隊舎内の一室で、わたしにあてがわれたスターズ分隊長執務室。
 追い込まれている。追い詰められている。逃げ道を、探せなくされている。
 その行動に、どこまで彼女の作為があるのかなんて、……わからない。
「隊舎だからね、公共の場の一種だと思うよ」
「鍵はかけたよ?」
「それならよかっ……って、そうじゃなくて!」
 いけない、危うく流されてしまうところだった。
「いつの間に鍵なんてかけてたの? もう、そういう問題じゃなくてね」
 思いがけない展開に思わず肩を落とす。
 互いにフォワードの分隊を取り仕切る隊長職にある身で、なにを言ってるのだろうと思いながら。
 でも。
「なら、なのははわたしが嫌い?」
 彼女の言葉に、はじかれたように顔があがる。彼女の表情を見上げてしまう。
 目の奥に嗤いの色を見つけてしまう。顔は、悲しそうにしてみせているくせに。
「そんな……」
 知ってる、知られている。
 わたしが冗談でも、彼女のことを嫌いだなんて言えるわけもないことを。
「わたしがフェイトちゃんのこと嫌いになんて、なれるわけないじゃない……」
 理屈じゃない。ごまかしだって出来ない。
 嘘や冗談が言えない性格なわけでもない。でもこれだけは言えない。
 わたしにとっての彼女が、どれほどの重みを持っているか。
 あなたが、知らないわけがない。
 だからこれはある意味、予定調和。彼女の手の上で転がされるだけのわたし。
「……でも、触ったらダメなんだ?」

 内心で、楽しんでいるのでしょう?
 この三文芝居を。演じさせられているわたしは大根役者。
 膝に何かが乗るかのような感触。見れば、机につかれていたはずの手は、またわたしの膝を撫でていた。
 制服のスカートの上を、輪郭をなぞるように滑っていく。
「感じてるくせに?」
 彼女の意地の悪い言葉が、顔を一瞬で染色してみせた。朱に。
「感じてなんかないよ」
 本当にそんなことなんかない。まだ太ももを触れられてるだけだから。
 けれど全身が、感情が、あなたの挙動を過剰なほどに意識している。





 だって。



「本当に?」


 迫るあなたの顔。
 重ねられた唇。
 侵される咥内。
 絡め取られる舌。

 舌先が、ほんのわずかの苦みを感じ取る。


 わたしの中で動くその熱い舌も。
 わたしの腕を制服だけ強くつかむ手も。
 伏せられた目の美しさも。
 包み込まれるその腕の温かさも。

 知っているの。
 その満たされていないような瞳がわたしにしか見せられていないことを。
 強くつかみ引き寄せる腕がわたしにしか伸ばされないことを。
 武装局員としては避けるべきとされる喫煙をしていることを。
 けれどわたしにだけはそれを気づかれないようにしていることを。


 そして自覚しているの。
 わたしは、あなたに捨てられたくないことを。
 捨てられないためならば、きっとどんなことでも平気でしてしまうだろうことも。
 そしてあなたも、それは気づいているのでしょう。

 だって、鍵をかけたなんて嘘をわたしのためについてくれるのだから。

 あなたが訪ねてきてくれた時、デスクの手元からロックのスイッチを入れたのはわたし。
 気づいてほしかった。求めてほしかった。
 そしてあなたは全てを承知した上で、わたしを道化にしてみせる。



 頭を漂白されながら、太ももに触れていた手がお尻、そして腰へとゆっくり動いていた。


 あなたはやるべき仕事を結果的にはこなすけれど、勤務姿勢や私生活が不真面目と批難され。
 わたしは仕事も勤務態度も優秀と評価されているけれど、それを隠れ蓑にこんなことをしている。



「はぁ……ダメ……だよ、夜になって……から、ね……っ」
 ようやく離してもらった口から、大きく息を吸い込む。
 長く口を塞がれていて、呼吸もすべて奪われたような錯覚でいたからか、息が苦しい。
「待てないよ」
 軽くなぞるように頬が口づけられる。
「待てない……じゃ……あっ……なくって、」
「息、あがってるよ?」
 あなたが必死で強がるわたしを、おかしそうに笑っている。
「あがって……はぁ……ない、もん……」
 嘘なことくらい、丸わかりなのにね?
 でもちゃんと部屋に戻ってからなら拒絶なんてしなくていいのは、本当。
 あなたが求めてくれるなら、どんなことでも応えてあげられる。
 なのにここでのわたしは拒絶しなければ、いけない。

 だから、ねぇどうか。
 わたしがどんな言葉を並べていても、わたしを奪い去ってください。



「ごめんね、言うこと聞いてあげるつもりないんだ」

END
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