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硝子の羽根の欠片

なのはに最近熱を入れている二次創作SSサイト。
オタクとか百合とかに興味がない方は見ない方が吉。
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もうダメなんじゃなかろうかと何度も思った1月最終週(先週ですね)、無理矢理定時退社の日を作成して劇場版なのはを見てきました。
感想等は既に書かれてる方がたくさんいらっしゃいますし、劇場までが遠くて未見という方もいらっしゃると思うので割愛。
見に行ったその日が水曜だったんですが、直後の木・金がどんな惨状だったかは触れない方向でぜひ。

で、劇場版で熱が微妙に上がったので、「なのは→フェイト」を。
今日という日が近くにあったので、そういう意味でもなのフェイを(フェイはやじゃないのはボクの勝手なイメージの違いです)
劇場版をきっかけに書きましたが、特に劇場版ネタバレはないです。
あえて言うなら無印ネタバレが(ry

今日という日を祝うのではなく、ただ思いをはせるために。





 高く晴れ渡った青空。小さなさざ波の音が体をくすぐっていく。
 学校帰りに、なのはは寄り道をする。もう何回目か、数え切れないくらいになってきた。

 海鳴臨海公園。
 きれいな海の景色と寄り添うように広く過ごしやすいように作られた設計が、憩いの場として街の人から愛着を持たれている場所だった。

 それは決まって、晴れの日。
 曇りの日とも、雨の日とも違う、その日に公園へと足を向けることが、いつしかなのはにとって特別な意味を持つようになっていた。


 なのはの家近くの通学バスが停まる場所から公園へとまっすぐ向かい、公園の中心部へと向かう橋のような通路の途中で一度、足を止める。
 通路は階段でいう踊り場のような広がりが一定間隔でいくつかあるという造りをしていた。
 その広がりのひとつで、なのはは海の方へと歩み寄る。
 手すりまであと一、二歩という距離で立ち止まり、胸に手をあてて空を見上げ海を見渡す。
 空も海も、際限はなくどこまでも高く遠く広がっていた。

 学校の制服の白いスカートを、海風が揺らす。
 髪を結わえた黒いリボンを、海風が揺らす。
 突風が起きることも珍しくなく、なのはのまだ小さな体は突風がくるたびに体を少し後ろへさらわれることもある。
 それでもなのはは飽きることなく、海に面した手すりのところから、空と海を眺め続ける。
 そしていつも気の済んだ頃に家へと帰っていく。


 それはなのはが一人で過ごす大切なひととき。
 どんなときも胸元にはいつだってレイジングハートがいて、なのはに話しかけてくるけれど、このときだけはレイジングハートはなにも話しかけてはこなかった。
 なのはも、レイジングハートに話しかけることは多くあるけれど、このときだけはレイジングハートに話しかけることはしない。

 そっと胸元に手をあてて、まっすぐに空と海を見る。





 忘れられない、大切な思い出と約束。
 まだ耳に甘く残る、あなたの声。

 ここにいたら、どうしてかわからないけどあなたとの距離を忘れていられるの。
 姿は見れないけれど、声は聞こえないけれど、あなたがすごく遠いところにいるのに、繋がった場所にいるみたいに。


 待っているね。
 ずっと、ずっと待っていさせて。
 あなたの話してくれた『きっと』を、わたしの楽しみと幸せにさせて。

 その日はいつになるか予想もつかないくらい未来のことだけど、ずっと来ない日じゃないと、わたしたちが大人になるより近い未来だと知っているから。

 傍にいることはできないけど、あなたのことを思うことはできるから。
 これからとてもたくさんのことが起こるだろうけれど、あなたに辛いことと悲しいことが起きないように願うから。


 この願いと気持ちは届かないことだとしても、あなたが寂しくないように。
 あなたが一人になってしまわないように。
 あなたとの思い出のこの場所から、ずっと。


 わたしも負けないように、ひとつひとつできることを積み重ねていくね。
 あなたとの間にある違いやしがらみを、少しでもなくしていけるわたしになりたいから。
 あなたと笑って会えるその日に、頑張ってくるあなたに釣り合うわたしでいられるように。


 うん、わたしね、あなたに笑っていてほしい。
 寂しい目をしないでほしい。
 悲しい気持ちを隠さないでほしい。
 なにかを耐えるような表情をしないでほしい。
 笑っていて、ほしいんだ。

 あなたがわたしの名前を呼んでくれて、友達になれて。
 それはとてもとてもうれしいこと。
 だからどうか、あなたに悲しいことがあったなら、その気持ちをわたしに分けて。
 距離があってもきっと、……友達だから。あなたの悲しみの半分はわたしが引き受けられるから。

 いつだって、名前をよんで。わたしもあなたの名前をよぶから。
 そうしたら、うれしいことは2倍にできるし、悲しいことは分け合えるから。


 でもね。
 その悲しみをわたしが半分にできたとしても、悲しい思いはしないでほしいんだよ。
 わたしには半分にすることしかできないから……ゼロにすることはできないから。

 だからどうか笑っていてください。それも、すごくたくさん。

 そっちには、アルフさんもリンディさんもクロノくんもエイミィさんもいるから、大丈夫だよね。
 わたしにもね、ユーノくんがいて、アリサちゃんとすずかちゃんっていう友達がいるから大丈夫だよ。


 ……大丈夫じゃないのは、あなたに会えないことくらい。
 でも、『きっと』……だよね?


 信じているから。
 どうか笑ってまた会えるその日まで、あなたの進む道が明るいことを祈っています。




 あと、ね。
 言いたくて言えなかったことがあるの。
 もしかしたら、会えるようになってからも言えないかもしれない。
 だからこっそり、今のうちに言っておくね。あなたには伝えられなくても。


 友達になってくれて、“ありがとう”

END
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