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硝子の羽根の欠片

なのはに最近熱を入れている二次創作SSサイト。
オタクとか百合とかに興味がない方は見ない方が吉。
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以前書いていた、突発アンケートによるお題のうちの1つを書いてみました。
どういうお題だったかは、作品の後に反転で書いてあります。
今度こそちゃんとなのフェイになりましたよ。カプ表記は「なのは→フェイト」
序盤の大まかな展開は考えた上で書き出しましたが、考えてないあたりにさしかかった後、その時々では面白いだろう方向へ転がしていったら思いもしない流れに……。





「将来の……夢?」
 なのはの言葉を、フェイトはオウム返しした。

「そう。どうも学校でそんなテーマについて書くことがあったらしくて」
「あぁ、なるほどね」
 フェイトの問い返しに、なのはは補足をつけつつ肯定した。
 フェイトは説明に納得し、目の前に出されたお客様用ティーカップの中身で喉を潤す。
「それで、『ママの将来の夢ってなに?』って聞かれちゃって」
「将来の夢ねぇ……」
 ちょっと困ったように笑うなのはのすぐ横で、フェイトはさてなんだろうかと思考を巡らす。
 珍しくなのはとフェイトのオフシフトが重なった今日。
 ヴィヴィオはせっかく二人ともお休みな日に自分だけ学校に行かねばならないことに、頬を限界までふくらませて拗ねた状態で学校へ行った。
 その時のヴィヴィオの顔を思い浮かべて、フェイトは少し微笑ましさを感じる。
「ずっと夢だった教導官になって、今もずっと現役で教導してるし、今はヴィヴィオと仲良く暮らしているし……」
 ティーカップをソーサーに戻すと、フェイトはその流れで指折り数えていく。
 なのはが夢だったこと、夢として見ていたかもしれないこと。
 ひとつひとつ挙げていくのは、なのはの夢だったこと。つまり過去のものだ。
「他になにか夢ってあるの?」
 フェイトが指を三本折ってから、なのはをうかがうように顔を向けた。
 フェイトの目の前には、複雑そうな表情をしたなのはの顔がある。
「……本当、フェイトちゃんって私のことよくわかってるよね」
 はぁ、とため息のような息を吐き出して呟くなのは。
 そんなことを言われて、フェイトは意味がわからず首を傾げた。

 なのはの不服そうな視線にさらされて、フェイトは『そうだ』と口を開いた。
「夢って言ってしまうから難しく感じるんじゃないかな」
「夢じゃなかったら、なに?」
「そうだね、未来の自分を想像するとか」
 フェイトからの提案に、なのははふむと頷く。
 頭の中で、『夢』という言葉と『想像する未来』という言葉が、並んで、しかし張り合うように回る。
「確かに、その2つじゃ全然イメージが違うよね」
「うん。夢っていうよりは、そっちの方が考えやすいんじゃない?」
 浮かべられた笑顔は、いつものなのはの親友よりは、エリオやキャロに見せるようなお母さんみたいな表情。
 勝てないなと思いつつも、なのははフェイトの助言に従って考えてみる。


「ねぇ、ちなみにフェイトちゃんは?」
「ん? ……思いつかなかったの?」
 しばらく黙り込んだなのはが、てっきり自分の未来を想像していたと思っていたフェイトは、なのはの言葉に問い返した。
 フェイトのことを聞いてくるということは、主題を変えて考えてみても思い浮かばなかったのだろうかと、フェイトは思考と同時に聞いていた。
「ううん、そういうわけじゃないんだけど……」
 否定はしたものの言葉を濁すなのはに、フェイトはそれ以上の追求をする様子がなかった。
「ただ、フェイトちゃんの想像するフェイトちゃんの未来はどうなのかなって、どうしても知りたくて」
「私の未来……かぁ」
 真剣な眼差しでたずねてくるなのはに、どうしてそこまで知りたいのだろうかとの疑問が脳裏をかすめる。
 しかし疑問は疑問として、いまはなのはの質問の方が重要そうだと判断し、フェイトは想像してみる。
 目の前の、なにもない空中をぼんやりと見るとはなしに見て。

「んー、仕事はきっとやれる限り続けてるんだろうな。キャリアプランとか意識したことはないから、いまと同じような仕事をし続けているかどうかまでははっきり想像ができないけど」
 ふむふむと、すぐ横では言葉にしないものの相づちよろしく頷くなのは。
「他は……どうなんだろう。エリオとキャロはもう二人でうまくやっていけるだろうし、施設には今後も寄付と訪問を続けていきたいし」
 ふむふむ……と、横で頷くなのはだが、先ほどよりは頷く反応速度が鈍い。
「あとは、なのはとヴィヴィオのところをたまに訪ねたりとかして、穏やかに暮らしていければいいかな」
「……終わり?」
「うん」
 言い終えた、とばかりのフェイトのすっきりした表情をすぐ横で見ていたなのはが、確認の質問。

 即答による肯定に、なのはは無意識に手を強く握りしめていた。
 胸に宿るのは、たくさんの切なさと悲しさ。
 積もっていく気持ちに引きずられるように、なのはの視線と頭が下を向いていく。
「……ねぇ、フェイトちゃん」
「なに?」
 声をかけられてなのはの方を向けば、うつむくなのは。
「…………」
「なのは……?」
 続く言葉がなく、声をかけてきたなのははうつむいたまま。
 フェイトはなのはの様子をうかがうように声をかけ、下から顔をのぞき込もうと少し肩から上体をかがめる。
「フェイトちゃんのバカ……」
「へ?」
 小さく呟かれた言葉はかろうじてフェイトの耳に入り、フェイトは突然の言葉に虚を突かれる。
「バカー」
 自分の近くに頭を寄せていたフェイトを、首に腕を回す形でしがみつくなのは。
「え、ちょ、どうしたの?」
 癇癪を起こしたかのように、脈絡のない行動を取るなのはに、フェイトはただされるがままに戸惑う。
「どうしたのじゃないよ、なんでそうなの?」
 咄嗟のことに離れようとするフェイトを、抱きしめる腕を強くして離すまいとする。
「な、なにのことを言ってるの?」
 問いかけに対して、問いかけを返すことしかできないフェイト。
 フェイトからの問いかけに、不意に動きを止めるなのは。
「……なのは?」
 均衡状態だったはずの、フェイトが離れようとする力と、フェイトを引き寄せようとするなのはの腕の力。
 均衡を保っていたなのはの腕の力が不意に抜けて、フェイトは勢いよく上体が動き出して思わず離れようとしていた動きを途中で止めてしまう。
「そうだよね、フェイトちゃんだもんね」
 深い深いため息をついて、フェイトにはやはりわからない言葉を呟いた。

「あのね、フェイトちゃん」
 抱き寄せるべくフェイトの首へとまわされたなのはの腕は、引き寄せる力は入っていないものの、フェイトの首から離れる様子はない。
 フェイトも突然のことに戸惑ってなのはから体を離そうとしていたが、一定の距離を保たれたいまの状況で、首にまわっているなのはの腕を外そうとはしていない。
 真っ直ぐ見上げてくるなのはの視線を、フェイトは正面から受け止めていた。
 続くであろう言葉ごと。
「わたしは、将来はフェイトちゃんとヴィヴィオと一緒に暮らしたいって思ってるんだけど、フェイトちゃんはどう思ってくれる?」


 たっぷり十秒あまりの時間をとって、フェイトが呟く。
「私とヴィヴィオと一緒に……?」
 呟かれた言葉は、理解できてない色をしていた。
 応えの後に少し傾いた頭が、理解不可を示していた。
「はっきり言っちゃうと、これから先ずっと一緒に生きていきたいって思ってるくらい、フェイトちゃんが好きなの!」
 先ほどの均衡状態ほどではないにせよ、それなりに近い距離で顔を合わせている二人。
 フェイトの物わかりの悪さを吹き飛ばそうとする思いそのままに、それまでよりも大きい声で気持ちをぶつけるなのは。

 たっぷり二十秒あまりの時間をとって、フェイトが驚く。
「好きって……えええ!?」
「鈍い……鈍すぎるよフェイトちゃん……」
 二十秒待たされたからなのか、それとも驚きが理解ではないと思っているのか、思わず本音がこぼれるなのは。
 その待たされた間もしっかりフェイトから視線を逸らしていないところが、余計に不満を募らせるのか。
 さすがにこぼれ落ちた本音はとても小さくて、驚き一色のフェイトには聞こえていない。
「え、あの、なのは……それってつまり……」
 驚きの声を上げてから、フェイトの頬は徐々に赤く染まり上がっていく。
 戸惑いと揺れる視線の行き先につられるように、確かめようとしているはずの声もぶれる。
「念のために言っておくけど、恋とか愛とか、そういう意味の好きってことだからね」
 思っていた以上に鈍い反応を返してくれたフェイトに対して、懸念を潰すべく先回りして告げるなのは。
「恋とか愛とか……」
 耳に入ってきたキーワードを繰り返すフェイト。

 たっぷり三十秒あまりの時間をとって、フェイトが混乱する。
「あわわわわ、なのはが私を好きなんて……」
「動揺しなくていいんだよ? ずっと前からそうだったんだし」
 もはやフェイトの動揺なんて、どこ吹く風となっているなのは。
 冷静さを持って戸惑うフェイトの様子を観察していられるくらいには、慣れてしまったようだ。
「ず、ずっと前から……!」
 軽く放たれた落ち着かせようとしているはずの言葉から、フェイトは更に混乱の迷路の深みへ入ろうとする。
「そんなにいっぱいあれこれ考えなくていいんだよ」
 言ってフェイトをじっと見ていたなのはが動く。
 あわあわと考えがまとまっていない様子のフェイトから腕を離すと、その両手で頬を包んで唇に口づけを落とす。



「ねぇ、これから一生、なのはと一緒に生きていってくれないかな?」

END



元になったお題→平穏な話。何となく未来予想図語ってたらいつの間にか愛を語っていてなのはさんにつっこまれるフェイトさんとかそんなちょっと退屈な感じ。
途中でお題通りにはならないなーとは思っていたけど。

なんでなのはさんプロポーズしちゃってるのん (´・ω・`)?
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